ナブテスコは買いなのか?
私は現在、ナブテスコ(6268)を中長期の購入候補として注目しています。
理由は、ヒューマノイドをはじめとするフィジカルAI市場の拡大によって、同社の主力製品である精密減速機の需要が今後大きく伸びる可能性があると考えているためです。
一方で、現時点では市場の期待だけで評価することはできません。実際の業績や財務、そして中期経営計画を確認しながら、本当に長期投資に値する企業なのかを見極める必要があります。
本記事では、事業内容・業績・財務・株価を順番に分析し、ナブテスコは「フィジカルAI時代の本命銘柄」と言えるのかを考察していきます。
なぜナブテスコなのか?
近年、AIはチャットボットや画像生成などのソフトウェア分野だけでなく、現実世界で動くロボット「フィジカルAI」へと進化し始めています。
NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏も、ヒューマノイドロボットは今後大きく普及するとの見方を示しており、世界中で開発競争が加速しています。
しかし、ロボットはAIだけでは動きません。
人間のように「立つ」「歩く」「物をつかむ」といった動作を実現するには、モーターの力を正確に伝える精密減速機が欠かせません。
その精密減速機で世界トップクラスのシェアを持つ企業の一つが、ナブテスコです。
AIの進化によってロボットの性能が向上すれば、その先にはロボットを支える部品メーカーにも大きな成長機会が訪れる可能性があります。
私は、その恩恵を受ける有力候補の一社がナブテスコだと考えています。

ナブテスコはどんな会社?
ナブテスコは、鉄道・航空機・船舶・建設機械・自動ドアなど、社会インフラを支える幅広い事業を展開している機械メーカーです。
その中でも、私が特に注目しているのが精密減速機事業です。
精密減速機は、産業用ロボットやヒューマノイドの関節部分に使われる重要な部品であり、ロボットの「正確に動く」「大きな力を出す」といった性能を支えています。
ナブテスコは、この精密減速機分野で世界トップクラスのシェアと高い技術力を持ち、多くのロボットメーカーに採用されています。
AIそのものを開発する企業ではありませんが、AIが現実世界で動くために欠かせない部品を提供していることが、ナブテスコ最大の強みだと考えています。

業績は本当に成長しているのか?
ナブテスコは2025年12月期に、**売上高3,079億円(前年比+10%)、営業利益207億円(前年比+60%)と大きく業績が改善しました。営業利益率も4.6%から6.7%**へ回復しています。
さらに2026年12月期は、**売上高3,270億円、営業利益277億円、営業利益率8.5%**を見込んでおり、会社は引き続き増収増益を計画しています。
また、2026年第1四半期決算では、**売上高830億円(前年同期比+17%)、営業利益82億円(同+68%)と好調なスタートを切りました。営業利益率も9.9%**まで改善しており、会社計画に対して順調に進捗しています。
特に注目したいのは、私が期待しているCMP(コンポーネントソリューション)事業です。
ロボット向け精密減速機の需要回復を背景に、第1四半期は**売上高223億円(前年同期比+28%)、営業利益20億円(同約5倍)、営業利益率8.8%**まで改善しました。受注も前年同期比で増加しており、会社は「2025年1Q以降、4四半期連続で受注が回復している」と説明しています。
現時点では業績は回復局面に入りつつあります。特に精密減速機事業は受注回復が鮮明になっており、今後ヒューマノイドやフィジカルAI市場が本格的に立ち上がれば、さらなる成長につながる可能性があると考えています。

財務は健全か?
長期投資では、将来の成長性だけでなく財務の健全性も重要なポイントです。
ナブテスコは、2026年第1四半期時点で**親会社所有者帰属持分比率61.7%**と高い水準を維持しています。また、現預金等806億円を保有し、借入金425億円を大きく上回っていることから、財務には十分な余力があります。
さらに、営業キャッシュフローも2025年は328億円の黒字を確保しており、本業で安定してキャッシュを生み出せていることが分かります。
| 指標 | 数値 | 評価 |
|---|---|---|
| 親会社所有者帰属持分比率 | 61.7% | ◎ |
| 現預金等 | 806億円 | ◎ |
| 借入金 | 425億円 | ○ |
| 営業キャッシュフロー(2025年) | 328億円 | ◎ |
財務面に大きな不安はなく、中長期で設備投資や研究開発を継続できるだけの財務基盤を備えている点は、長期投資を考える上で大きな安心材料だと考えています。
株価は割安か?
企業の魅力だけでなく、「現在の株価が企業価値に対して適正なのか」を確認することも重要です。
ナブテスコは、業績回復への期待やフィジカルAI関連銘柄としての注目を背景に、株価は大きく上昇しています。
現在のバリュエーションを見ると、PER35.6倍、PBR2.42倍と決して割安な水準ではありません。また、過去10年間のPERと比較しても、現在は平均を上回る水準で推移しており、将来の成長期待が株価に織り込まれていることが分かります。

ナブテスコは現在、「割安株」とは言えません。
一方で、ヒューマノイドやフィジカルAI市場の拡大によって精密減速機事業が中長期で成長すれば、現在のバリュエーションを正当化できる可能性があります。
そのため、今後は実際に業績が成長シナリオどおりに推移するかを継続的に確認していくことが重要だと考えています。
私の投資判断
ここまで分析してきましたが、現時点では私は様子見と考えています。
その理由は、フィジカルAIやヒューマノイド市場が今後大きく成長する可能性はあるものの、実用化や市場拡大のスピードはまだ不透明だからです。テーマとしては非常に魅力的ですが、どのタイミングで業績に大きく寄与するのかは、現時点では判断が難しいと考えています。
一方で、株価が4,500円前後まで調整する場面があれば、私は長期目線で打診買いを検討します。
4,500円付近であれば、予想PERも30倍を下回る水準となり、将来の成長期待を考慮すれば、中長期では十分に投資対象になると考えています。
もちろん、そこまで株価が下落せず、このまま上昇してしまう可能性もあります。しかし、現時点では無理に追いかけて買うよりも、買い逃すことを受け入れてでも、自分の納得できる価格で投資したいというのが私の考えです。
今後は決算や受注動向、ヒューマノイド市場の進展を継続的に確認し、このブログでも定期的に情報をアップデートしていきます。
私の投資判断
✅ フィジカルAI・ヒューマノイドという長期テーマに期待
✅ 精密減速機で世界トップクラスの技術力を持つ
✅ 財務は健全で長期投資しやすい
⚠️ 実用化の時期はまだ不透明
⚠️ 現在の株価には期待が織り込まれている
👀 4,500円前後まで調整すれば長期目線で打診買いを検討
もちろん、4,500円まで下がらずに株価が上昇してしまう可能性もあります。しかし、私は無理に追いかけることはせず、自分が納得できる価格で投資することを大切にしたいと考えています。
※免責事項
本記事は2026年7月04日時点で公表されている決算資料やIR資料、公開情報をもとに作成しています。
掲載している内容は、あくまで私個人の分析・見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


コメント